出遅れ小学生

自分は幼稚園とか保育園に長く在籍したことがなかった。母親は育児放棄をしていて、代わりに面倒を見ていた祖母も送迎をする体力がなかったから。

だから外の世界のルールがわからず、家族からも半ば放置されていたので道端で堂々とトイレしていた。

そんな調子だから置いてけぼりにされることが多くて、小一の頃から仲間はずれにされがちだった。

 

 

小学校低学年の頃の仲間はずれの主犯はKちゃんという人だった。

Kちゃんは絵に描いたような金持ちエリートの子供。Kちゃんのお母さんは厳しいお稽古の先生であることで有名。

幼稚園の時一緒だった。同じクラスに知っている人がいて嬉しかったけれど、その子やその取り巻きから意地悪なことをされた。

鉛筆をいらないだろってくらいじゃらじゃら持っている子が友達に筆箱を見せていて、自分も気になって近寄ったら「見ないで!」と叫ばれた。

50メートル走でKちゃんより早く走ることができたけれど「(ゴールの先にある)ネットまで行かないとゴールにならないんだよ」と負け惜しみ言われて、それを本気にして泣いてしまった。

フルーツバスケットで自分が座った席にKちゃんは「ここは私の席なんだよ!」と怒るように言ってきて、そういう物なんだと思って席を譲ってしまった。鬼になって悲しくて潤んだ目を同級生に見られた。(それ以降フルーツバスケットをするたび緊張するようになった)

前の席のKちゃんから回ってきたプリントを後ろの子に渡したら何故か怒られて、自分のものと交換させられた。破られたプリントを後ろの子に渡されて困惑していたら先生が気づいてくれてKちゃんを叱ってくれたから助かったが…。

本格的な集団生活が初めてで何もわからず、自分にとって不利な状況になってもそういう物だから仕方がないと自分に言い聞かせて我慢していた。

自分は小さい頃から意志を伝えるのが本当にできなかったので友達にはっきり言えないし、先生に言うこともできなかったので仲間はずれにされても仕方ないが。

 

 

意地悪なKちゃんだったけれど、二人きりで遊ぶことが何度かあった。

この家一億円で建てたんだよ!とKちゃんが豪語する家によく行った。

居間が結構広い。グランドピアノが二台、スリムなピアノが一台置いてあった。

おもちゃで遊んだり、一緒にフルハウスみたいなテレビ番組を見てた。

ピアノの前に座ってこれを弾き続けてと言われて、ずんちゃっちゃとお手本を見せられたことがあった。

私がずんちゃっちゃと弾き続けるとKちゃんは側で何かの曲を弾いた。題名は知らないけれど朗らかな曲調で、ずんちゃっちゃとそれが組み合わさって一つの曲になった。ゆっくりとした時間が流れた。

本当にいい思い出)^o^(

でもKちゃんは学校で私を避けるようなことをしてきて、学年が上がると一緒に遊ぶことはなくなった。

中学は遠いところにある公立の中でもいいところに言っていたらしいけど、中三の時にとある事情で私の通う学校に転校してきた。

Kちゃんは小学生の時とは違って嫌味なことを言ってこなくなった(成長したので当たり前だが)。同じクラスになって、たまに話すような関係になった。

仲良くなることはなかったけれど、ピアノを一緒に弾いた時のことを思い出すとノスタルジーを感じる。あれが私の最後の青春だった…。

 

 

低学年の時の私は人気者だった。みんな私と一緒にいると楽しいっていって取り合いされることもあった。

でも学年が上がるごとに、私が意志薄弱な泣き虫であることに気づいてか皆私と関わらないようになった。

多動症の男の子と学校前で1時間ぐらい、誰が私と遊ぶかで揉めていた男の子から強くあたられるようになった。Eちゃんが私を仲間はずれしようと周りの人に吹聴して孤立した。

自分にも非はあるし言い返せなかったのも問題だから仕方がないが、孤立をしてつまづいてしまって足掻くも失敗して今も出遅れたまま。出遅れたのがさらに出遅れて挽回がハード。

幼稚で単純。挙動不審。この人とは関わりたくないと人に思わせるプロ。人と深く関わる予定はないが最低限の振る舞いができるように矯正しないと。

自分と同じく挙動不審な人たちが書いた世渡り術をよく読んで実行してる。大抵うまくいかないが、いつか人に不快な思いをさせないようにしたい。頑張れ!!😭