小学校低学年の時、Eちゃんは私にベタベタしてくる子だった。

距離感が近いし、人にベタベタされるのが初めてだったのでストレスがよく溜まった。何をするにも一緒。席替えも隣同士でいつも一緒、学校でもいつも一緒。良識のある子だったら私は大丈夫だったと思うけど、Eちゃんは図々しい人だったので嫌だった。

私はその頃からすでに「こういうの嫌なんだけど!」とはっきり言える人じゃなかったので、イライラを募らせることしかできなかった。

 

 

鍵っ子で今家に誰もいないと泣いて私のところに来ることがしょっちゅうあった。

最初の頃は遊び相手がやってきて嬉しかったけど、結構な頻度でやってくるので相手にするのが嫌になってしまった。

一番嫌だったのは歯医者についてきた時。本当に辛かったわ…。

祖母と車に乗って遠くの歯医者に行こうと支度をしているときにEちゃんはやってきた。お出かけしなくちゃいけないから遊べないと伝えると、Eちゃんは泣き出す。仕方なく一緒に歯医者に行った。

毎回診察が終わるとご褒美に消しゴムがもらえた。箱の中に大量の動物とかの形をした消しゴムが入っていて、その中から一つ選ぶ。私はこれを原動力にして歯医者に通っていた。

でもEちゃんと一緒に来た日、祖母が消しゴムはEちゃんに譲りなさいと言い出した。Eちゃんは特に遠慮せず、ウッキウキで消しゴムを選んでいて本当にショックだった。なぜ私が頑張って診察を受けたのに、Eちゃんが消しゴムを選ぶのか?

歯医者の受付で待っている間、いつも自分は緊張していた。消しゴムがあるから大丈夫と自分に言い聞かせて落ち着こうとしていた。それくらい大切な消しゴムをなぜEちゃんに譲らなくちゃいけないのか? あまりの理不尽さに泣いた。

見かねた受付の人が二人とも消しゴムを選んでいいよと言ってくれた…。それから虫歯にならないミントチョコを二人分(だったかな?)タダで渡してくれた。受付の人に申し訳ないわ。

自分の機嫌は良くなったけれど、Eちゃんのことがますます嫌いになった。

 

 

公園でEちゃんと遊んでいたら、Eちゃんの保育園時代の友達の園児に遭遇した。三人で遊ぼうとするとEちゃんは私に「あっちいってて!」と言い仲間外れにした。

二人の遊ぶ遊具から離れて、自分の悲しい気持ちを誤魔化すために薄暗い林の中をウロウロして、土に埋まっていた単一電池を掘り出してた。

帰る時間になって、私がいないことにきづいたEちゃんが私を探し始める。園児の母親が私を見つけた。Eちゃんは「どこにいってたのよ〜」という感じの態度をしていた。

お、おまえ〜〜…。Eちゃんの無自覚さ、わがままに何度振り回されたことか。

 

 

あとキスごっこごっこじゃないわお互いがほっぺに10秒間キスした。あれはほんと嫌だったな…。締め切った部屋でEちゃんにキスを強要された。小学校低学年の話。

私は長袖でズボンを履いているから男役、Eちゃんは半袖でスカートを履いているから女役。Eちゃんにそう言われた。Eちゃんがぽっちゃりじゃなくて、ズボンをはいていたら役が違ったかもね…。

少女漫画ばかり読んでたみたいで、本棚にはチャオという少女漫画の月刊誌がずらっと並んでいた。そう記憶している…。

私も逃げ出せばよかったのに、嫌われるのが怖くてなにもできなかった。

Eちゃんは12345!と早くカウントしていたけど、私はしっかり10秒間数えた。ああ、もう何やってんだか。キスせずに「今のは光の速さで10数えたんだよ!」とでも言えばいいのに。でもEちゃんによだれつけられることには変わらないね。もう、ほんと、気持ち悪いわ…。

 

 

私が運動のできるテニス少女だった頃、Eちゃんに私の使わなくなったラケットを渡して一緒に球の打ち合いをしていた。

でもEちゃんは思ったようにできなかったみたいで、イライラしているみたいで、私のラケットを地面にガリガリと引きずって歩いていた。

気の弱い人間だったので引きずられているのを目にしても何も言えなかった。悔しい。

今は使っていなくても大切に使っていたラケットに傷をつけられて、自分の心も痛くなった。Eちゃんと別れた後ひっそり泣いた。

うまくいかなくてイライラするのはわかる。Eちゃんは訳あって喋るのが苦手で、言葉の教室という場所に通っていた。そこで習った百人一首を使う遊びが得意で、一緒にそれで遊ぶも私にはちんぷんかんぷんだった。Eちゃんだけ遊びがうまくてイライラして私は別の遊びしよ!!と強引にやめた。

自分卓球が下手くそすぎてイライラして一回力任せに打ち返して人に当たりそうになったこともあるわ。恥ずかしながらこれは高校生の時の話だけど…😥

イライラするのはわかるけど、人のものを傷つけるのはダメでしょうが…。

 

 

小一か小二の頃、Eちゃんとは同じ登校班だった。前を歩くEちゃんを見ながら、見えない巨大な拳でEちゃんをぼこぼこにする空想をした。

Eちゃんに申し訳ないなといつもおもってしまうけど、こんなことを空想するくらい一緒にいるとめちゃくちゃストレスの溜まる子だった

私とEちゃん、どっちが悪かったんだろう。向こうも向こうで私がクソ野郎だと思っているでしょうし、私も嫌味ばかり言っていたのでどっちもか。

でも私が嫌味を言い出したのも、Eちゃんの無神経な行動に耐えられなくなって、距離をおくために冷たいことを言ったら逆上して叩いてきたりしてきたからだ。

嫌味を言い出す前、私が無神経で「でぶだよね〜」とEちゃんに対して言っていたので叩かれても仕方ないかもね。社会と隔離されたところで生活をしていたから、人の特徴とか何も考えずにずけずけ言っていた。向こうも向こうで溜まり溜まったストレスが暴発したのかもしれない。

Eちゃんは私がクソ野郎だと周りに吹聴して孤立させた。私も私でしょっちゅう泣いて不快感をばらまいて元から嫌われていたので仕方ない。どっちが悪いかなんてもう何もわからんね。